第65回建築士会全国大会「しずおか大会」

新潟支部 神田さやか

日程:令和5年10月26日(木)、27日(金)、28(土)
会場:静岡県コンベンションアーツセンター/グランシップ

 大会当日の27日(金)、全国47都道府県から約3,000名が参加し、グランシップを建築士会の熱気と活気で包みこみました。
 今年度は「歴史と文化の継承~ローカルに生きる~」をテーマに掲げ、交流セッション・記念講演・大会式典・大交流会が開催されました。このほかにも、記念展示(パネル展示)や協賛企業などの展示ブースが多数設けられ、全てをじっくり見て回るには時間が足りないほど充実した内容でした。
 11ある交流セッションには、防災まちづくり・女性委員会・環境部会などがあり、どれも興味を惹くテーマでしたが、今回は青年委員会セッションの地域実践活動報告会に参加しました。全国7ブロックの各代表がプレゼンテーションと質疑応答を行い、最後に投票が行われました。結果は、東海北陸ブロック代表・静岡県建築士会が最優秀賞に選ばれましたが、どの発表も活動事例が魅力的で、内容も分かりやすくまとまっており、発表者のプレゼンも素晴らしいものでした。新潟支部でもこれらを参考に、地域貢献や会員増強につながる活動をしていきたいと思います。

 記念講演の第一部「基調講演」では、静岡大学名誉教授の小和田哲男氏が講師を務め、『城づくりの歴史と文化』をテーマに、建築技法・芸術・文化の観点から日本の城について詳しく説明してくださいました。城の種類や比較、天守の分類、復元された駿府城などを例に挙げた配置の解説、さらに徳川家康が駿府城を選んだ理由(?!)など、楽しく学べる内容でした。
 第二部の「パネルディスカッション」では、小和田氏のほか、広島大学名誉教授の三浦正幸氏、日本城郭協会理事の加藤理文氏が『城郭遺産等の保存と活用』をテーマに、城≠天守(城=天守ではない)という基礎知識から、城の歴史や現存する天守と復元された天守などについて白熱した討論と、パネリストの歯に衣着せぬ意見がとても爽快で、客席からは感嘆の声や笑い声があがっていました。

 昼食時には、静岡うまいもの物産展と銘打った屋外の飲食コーナーに屋台が並び、静岡の名産品などが 空腹の我々を迎えてくれました。天候にも恵まれ、心地よい空間で大勢の方々が美味しい食事や会話を楽しんでいました。


 大会式典は「富岳太鼓」による真剣勝負の「打ち込み」で幕を開け、終始 凛とした空間の中で進められました。最後の大会旗引継と次回開催地会長挨拶・大会PRには200名近くの鹿児島県建築士会のメンバーが応援に来ており、大会への意気込みを感じました。

 大会最終日の28日(土)は、地域交流見学会「通称 エクスカーション」が開催され、それぞれのテーマに沿った8コースには、浜松城や久能山東照宮、富士山を堪能する“the静岡”といったものから、今年オープンしたばかりの静岡歴史博物館、東海道史跡めぐり、駿河湾の幸を堪能するプランなどがあり、静岡の魅力満載で趣向を凝らしたコースが用意されました。

 初めて参加した全国大会は、たくさんのイベントと大勢の建築士の熱量に圧倒され、あっという間に1日が過ぎてしまいました。 様々なことを語り・学び・楽しみ、多くの建築士とつながる大イベントに参加できたことは、とても有意義で貴重な経験となりました。また、それを今後の士会活動や自分自身に活かしていきたいと思います。
 今回は大会当日のみの参加でしたが、来年の鹿児島大会「もえよ!建築維新~たぎる地で築くみらい~」では、エクスカーションにも参加したいと思います。