ヘリテージマネージャー勉強会~実測調査のための平面寸法の測り方~

ヘリテージマネージャー特別委員会 西澤哉子
日  時 令和5(2023)年9月30日(土)13:00~16:00
会  場 宝光寺 新潟県新発田市諏訪町2-4-17
内  容 実測調査のための平面寸法の測り方 講師:清水徹、山崎昭広、小川 格
実測野帳を例題に柱芯などの出し方講義・ワークショップ 平面図実測実践
参 加 者 参加者:14名(申込17名)

 令和5年9月30日(土)午後、新潟県建築士会ヘリテージマネージャー特別委員会主催の勉強会を新発田市諏訪町の宝光寺本堂にて開催いたしました。今年度の勉強会は歴史的建造物を実測する際、寸法が間崩れしている、柱の大きさや形状がまちまち、大壁で通り芯がわからない、などの困った状況に対する調査のやり方を、平面図作成を中心にワークショップ形式で行いました。
 始めに講師の清水徹委員より、実測による野帳作成の手順のほか、歴史的建造物を扱う実務(改修工事や登録文化財申請等)においては、平面図が基本の図面となり、それから断面図、立面図、床下や小屋組の伏図、破損調査等あらゆる図面が作成されていくため、平面図を正確に作成する重要さをお話ししていただきました。また、山崎委員より実測時に役立つ使用道具についても解説を加えていただきました。
 講義後、3人グループ5班に分かれ、実際の実測野帳を用いたさまざまな状況の柱芯や壁厚の出し方の例題を考察し、意見交換しました。勉強会後半は本堂の実測実践で、通り芯を引き、平面図のスケッチを起こすまでを各自で作図後、グループで計測2名、寸法記入1名の役割分担を決め、寸法計測を行いました。最終的に各自の実測野帳を完成させ、別のグループと図面交換し合い、寸法の測り方や図面表記の仕方などをディスカッションしました。
参加者は建築士会会員の他に、行政担当者など一般の方もご参加いただき、幅広い方に実測と野帳の書き方を学んでいただきました。また、実測実践とグループ内外での討議を通して、各自の実測野帳の作図方法の確認や改善点、現場に出た時のヒントなどを見出していただけたのではないかと思います。
今後もヘリテージマネージャー特別委員会ではさまざまな題材の勉強会を企画し、ヘリテージマネージャーの実務に有用な知識や技術を共有する機会を作りたいと考えております。