関ブロまちづくり交流会in佐久

関ブロまちづくり交流会in佐久 参加報告     
まちづくり委員 穐谷 勝浩
 
 各地のまちづくりの実践視察と会員相互の交流を目的に、5回目の開催は長野県建築士会佐久支部の地域を中心に、9月8日(金)、9日(土)の2日間に渡り開催されました。
 
 この交流会は関ブロ各県のまちづくり委員会(部会)が自発的に企画して、関東甲信越建築士会ブロック会の後援のもとで、全会員を対象に参加募集して不定期に行われる交流会です。参加人数は新潟から7名、長野から11名、群馬・東京から各1名の合計20名で、コロナ禍で停滞していたまちづくり交流会を活性化させるために長野まちづくり部会が企画して、佐久穂町の協力を得て、町役場新庁舎をはじめ街歩き、建物や実例見学をさせてもらいました。

 会場となった佐久穂町は信濃川(千曲川)の最上流部に位置してJR小海線が通り、人口12,069人で毎年1%人口減少している。佐久地域全体人口は204,416人で20年後は19%減少推計との事で、少子高齢化、人口流出・減少と共に空き家問題と地域活性化はいずれのまちも同じ課題を抱えるなか、建築士としていかにかかわって行くか、多くのヒントと手法を頂きました。2010年「ねむの木植えロード」街路樹の植栽と花壇づくりと小学校の景観授業を、県の支援金を活用した景観整備事業として大変な苦労の上で佐久支部青年委員長が中心となり実施し継続して保全していることが佐久支部の活性化と現在の活動の原点となった。佐久穂町新庁舎建設においては建築士会として建設委員会に入り建設場所の選定・議場や会議室の複合利用・町内産カラマツ材や鉄平石の利用・増工事費無しなど多くのアドバイスを行って地域の為に活躍した。木造2階建て診療所兼一戸建ての住宅をシェアハウスに用途変更する事例を見学、建築士として建築基準法・消防法の規制についての知識を持ち、各現場の特性に柔軟に対応できるよう法改正や告示・通達などの情報収集を怠らないことが、プロジェクトの成否・建設コストの削減につながり、事業主が建物に負う責任について適法状態に保てる。
 
 他、法人の空き家購入よる資金の捻出・賃貸でカフェ開店・近隣への波及効果の実例見学。文化財保存に向けた奥村土牛記念日美術館耐震改修工事。立教大学武者ゼミの皆様と意見交換を通じて建築と社会学の融合の必要性を学ぶ。佐久穂の街並み保全活動を国の直接支援によるモデル性の高い空き家を活用することで始動した建物の見学と手法を学ぶ。


 佐久穂町長は、人は、文化が進化しているところに集まります。どの街にも新たに作ることが難しい大切な文化(点)があります。昔からある点や新しくできる点を結び、人を引き寄せる線や面にしていきたい。こういうことへの方法や支援を行いたいと記しておられました。佐久支部の活動そのものと実感して帰路につきました。